Temuでお気に入りの商品が突然製造中止になって、不安になった経験はありませんか?
「安くてかわいい」と話題のTemuですが、その裏側では、安かろう悪かろうの噂や、中には粗悪品もあるのかといった心配の声も聞かれます。
この記事では、「temu商品の製造中止の話」で心配な人の疑問に答えるため、Temu製品はどこで製造されているのかという基本的な情報から、製造中止された商品の理由、
さらには発がん性の疑いがある商品はどれかといった安全性に関する深刻な問題まで、調査データに基づいて徹底的に掘り下げていきます。
推し棚に置いてるこのレゴもどきの麻雀牌のやつ何かと話題のTEMUで買ってたんだけどいい加減白も買おうとしたら製造中止になってる🤦♀こういうの一気にやっちゃって時間溶かすからちまちま買ってたのが馬鹿だった😭 pic.twitter.com/YqxRvdTzaV
— ゆきの (@yukino_doradora) July 31, 2024
また、Temuの日本での規制事情や、Temuを日本で運営している会社についての情報、そして万が一の時に役立つ購入履歴からチェックする方法まで、幅広く解説します。
「ゴミ」というレビューの真相についてや、実際に製造中止品は何なのか、この記事を読めば、Temuとの賢い付き合い方がきっと見つかるはずです。
この記事でわかること
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Temuで商品が製造中止になる具体的な理由
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安全上のリスクが指摘されている製品のカテゴリ
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購入前に知っておくべき法的な注意点と自衛策
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Temuというプラットフォームの構造的な課題
Temuで製造中止が相次ぐ背景と構造的な理由
Temuでなぜ商品の製造中止が起きるのか、その背景にはプラットフォームが抱える構造的な問題が深く関わっています。
ここでは、製品の製造背景から品質に関する様々な噂、そして安全性に関わる深刻な問題まで、多角的に解説していきます。

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概要
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韓国での販売中止要請と有害物質問題
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Temu製品はどこで製造されている?
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製造中止された商品の理由とは
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安かろう悪かろうの噂は本当か
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中には粗悪品もあるのかを調査
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「ゴミ」というレビューの真相について
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発がん性の疑いがある商品はどれ?
韓国での販売中止要請と有害物質問題

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Temu製品の安全性をめぐる懸念は、具体的な行政措置にまで発展しています。
2025年6月27日、韓国のソウル市当局が、Temuなどで販売されている一部の子ども向け製品について、販売中止を要請したと報じられました。
この措置の背景には、市が行った安全性検査の結果があります。
調査データによると、この時に検査対象となった子ども用の傘や長靴など35製品のうち、11製品から韓国の安全基準を大幅に超える有害物質が検出されたのです。
特に深刻なのは、プラスチックを柔らかくするために使われる「フタル酸系可塑剤」が、基準値の最大443.5倍も検出された製品があったことです。

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この物質は、内分泌系を攪乱し、子どもの成長や健康に長期的な悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。
このニュース(出典:AFPBB News https://www.afpbb.com/articles/-/3585835)は氷山の一角であり、
過去の調査ではサンダルのインソールから許容基準の11倍を超える鉛、金属製アクセサリーからは基準値の945倍ものカドミウムが確認された事例もあります。
これらは、Temuで販売される製品の安全管理体制に大きな疑問を投げかけるものであり、消費者が自ら製品のリスクを判断する必要があることを示す象徴的な出来事と言えます。
Temu製品はどこで製造されている?
Temuで販売されている商品の多くは、中国の製造業者によって作られています。
Temuのビジネスモデルの核心は、世界中の消費者と中国の工場を直接つなぐことにあります。

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これにより、従来であれば卸売業者や小売業者などの中間業者が得ていたマージン(利益)をカットし、圧倒的な低価格を実現しているのです。
この仕組みは「マーケットプレイス型」と呼ばれ、Temuはあくまで出品者である無数の製造業者と、購入者である私たちとをつなぐ「場」を提供している立場になります。
そのため、商品の企画から製造、品質管理に至るまでの責任は、原則として個々の出品者が負うことになります。
言ってしまえば、Temuは巨大なオンライン商店街のようなもので、多種多様な個人商店が集まって商品を販売しているイメージに近いかもしれません。
この点が、自社で製品を企画・管理する一般的なブランドとは大きく異なる部分であり、品質にばらつきが生まれる一因とも考えられます。
製造中止された商品の理由とは
Temuで商品が製造中止になる理由は、一つだけではありません。
消費者側からは見えにくい、主に3つの大きな要因が複雑に絡み合っています。
このキッチンクリーナー、Temuで買って届く間に使い方見ようとしたら製造中止とか出たけど使わない方がいいのかな〜🤔 pic.twitter.com/DzTO3nfpgY
— あずあず (@azuazunandayo) April 6, 2024

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1. 安全性・法令違反の問題
最も深刻な理由が、製品の安全性に関わる問題や、各国の法律・基準を満たしていないことが発覚するケースです。
前述の韓国での有害物質検出のように、リコールや行政からの販売中止要請につながる事案がこれにあたります。
2. 知的財産権の侵害
他のブランドのデザインやロゴを無断で模倣した商品、あるいは個人クリエイターのイラストを盗用した商品が、権利者からの申し立てによって削除されるケースも頻発しています。
英国の有名ブーツブランド「ドクターマーチン」がTemuを商標権侵害で提訴した事例や、SNS上で多くのクリエイターが自身のデザイン盗用を報告していることからも、この問題の根深さがうかがえます。
参照:セキュリティ対策ラボ「Temu(テム)の安全性に揺らぎ 米国で販売された子供用 パジャマセットが火傷の危険性でリコール」
FASHIONSNAP「ドクターマーチン、テムを商標権侵害の疑いで提訴 海外メディアが報道」
Temuのシステムは、侵害を未然に防ぐのではなく、問題が起きた後に対応する「事後対応モデル」であるため、監視と立証の負担が権利者側に押し付けられているのが実情です。
3. 出品者(セラー)側の事情
Temuは出品者に対して、配送遅延や品質問題などを理由に、時に販売価格の最大5倍にもなる高額な罰金を科すなど、非常に厳しいルールを設けています。
この過酷な環境に耐えきれず、出品者が破産したり、自ら撤退したりすることがあります。
中国では、この罰金制度に抗議する出品者がTemu本社前でデモを行う事態にも発展しました。
出品者がいなくなれば、その出品者が扱っていた商品はすべてプラットフォーム上から姿を消すことになります。
安かろう悪かろうの噂は本当か
「安かろう悪かろう」という言葉は、残念ながら一部のTemu製品には当てはまってしまう可能性があります。
もちろん、全ての製品が低品質というわけではなく、価格以上の価値がある掘り出し物も存在します。
しかし、Temuのビジネスモデルが、極端な価格競争を生み出していることは事実です。

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出品者たちは、膨大な数のライバルの中から選ばれるために、少しでも安く商品を販売しようとします。
その結果、コストを削減するために、安価で危険な可能性のある原材料を使用したり、各国の安全基準を満たすための試験や認証プロセスを省略したり、検品などの品質管理工程を簡略化したりするケースが出てくるのです。
調査データの分析によれば、韓国での有害物質検出や米国での可燃性基準違反といった事象は、すべてこの「コスト最優先」の構造が生み出した必然的な帰結と指摘されています。
中には粗悪品もあるのかを調査
前述の通り、Temuのプラットフォーム上には、残念ながら「粗悪品」と評価されても仕方がない製品が紛れ込んでいるのが現状です。
インターネット上のレビューやSNSの投稿を見ると、広告写真とは全く異なる商品が届いた、数回使っただけで壊れてしまった、といった報告が数多く見受けられます。
特に、有名ブランドのロゴやデザインに似せた模倣品は、品質が著しく低い場合が多いとされています。
また、充電式の卓上ランプやポータブル電源といった安価な電子機器も注意が必要です。
日本の消費者庁などが公表する製品事故情報では、これらの製品に起因する火災が報告されていますが、焼損が激しく原因特定に至らないケースも少なくありません。
これは、安全性が二の次にされた製品が市場に流通している危険な実態を反映していると考えられます。
「ゴミ」というレビューの真相について
SNSなどで見かける「Temuの商品はゴミ」といった辛辣なレビューは、主に二つの側面から考える必要があります。
一つは、前述してきたような、明らかな「品質の低さ」に起因するものです。
期待していた品質を大幅に下回る商品が届けば、がっかりして「ゴミ」と表現したくなる気持ちも理解できます。
もう一つは、「期待値とのギャップ」から生じる問題です。
Temuの広告や商品ページは、非常に魅力的に作られています。
しかし、表示されている価格は、多くの場合、不当に高く設定された参照価格からの大幅な割引として見せかける「ダークパターン」と呼ばれる手法が使われている可能性があります。
消費者は「こんなに良いものが、こんなに安く手に入る」と過度な期待を抱いて購入しますが、実際に届いた商品が価格相応、あるいはそれ以下のものであった場合、そのギャップから強い不満を感じることになります。
つまり、「ゴミ」というレビューは、単なる品質問題だけでなく、Temuのマーケティング手法が生み出す、消費者心理とのズレも反映していると言えるかもしれません。
発がん性の疑いがある商品はどれ?
Temuで販売されている製品の中で、特に注意が必要なのが、健康へのリスクが指摘されているものです。
実際に、韓国や欧州の規制当局は、Temuで販売されている一部の製品から、基準値を超える有害物質が検出されたと発表しています。

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特に注意すべき製品カテゴリ
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アクセサリー類: 指輪やネックレスなどの安価な金属製アクセサリーから、発がん性が指摘される「カドミウム」や、アレルギーの原因となる「鉛」が、各国の安全基準を大幅に超えて検出された事例が報告されています。
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子ども向け製品: 子ども用の靴やサンダル、おもちゃなどから、ホルモンバランスを乱す可能性のある「フタル酸系可塑剤」といった有害な化学物質が検出されています。子どもは大人よりも化学物質の影響を受けやすいため、特に慎重な判断が求められます。
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化粧品や肌に触れる製品: 直接肌に塗る化粧品や、長時間肌に触れる衣類なども、どのような化学物質が使われているか不明な場合が多く、アレルギーや皮膚トラブルのリスクが懸念されます。
これらの情報は、単なる噂ではなく、公的機関による調査結果に基づいています。
すべての商品が危険というわけではありませんが、こうしたリスクが存在することは、Temuを利用する上で必ず知っておくべき事実です。
Temuの製造中止品と消費者が取るべき対策
Temuのビジネスモデルが抱える問題点を理解した上で、私たちはどのように行動すればよいのでしょうか。

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このセクションでは、具体的な製造中止の事例から、自分自身で情報を確認する方法、そして日本国内の法的な注意点まで、消費者が賢く自分を守るための具体的な対策を解説します。
概要
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具体的に製造中止品は何がある?
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購入履歴からチェックする方法
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Temuの日本での規制事情とは
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Temuを日本で運営している会社について
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総括:Temuの製造中止品と今後の賢い付き合い方
具体的に製造中止品は何がある?
Temuでは、様々な理由で日々多くの商品が販売中止となっています。
過去に報告されている具体的な事例を、調査データに基づき表にまとめました。
発生時期 |
国・地域 |
対象製品カテゴリ |
販売中止・リコールの理由 |
---|---|---|---|
2024年7月 |
米国 |
子供用パジャマ |
連邦可燃性基準違反、火傷の危険性(4万5千セット以上が対象) |
2024年6月以降 |
韓国 |
子供向け製品(アクセサリー、履物等) |
基準値を超える有害物質(鉛、カドミウム、フタル酸系可塑剤等)の検出 |
2024年11月 |
EU |
全般(偽造品、安全でない製品) |
デジタルサービス法(DSA)違反の疑いで欧州委員会が調査開始 |
2024年6月 |
韓国 |
全般(広告、規約) |
誇大広告、不公正な表示で公正取引委員会が課徴金 |
継続中 |
日本 |
電子・通信機器 |
技適マークの欠如による電波法違反のリスク(使用者側) |
この表からわかるように、販売中止の理由は、単なる品質の問題にとどまりません。
火傷のリスクや有害物質の検出といった直接的な健康被害の恐れから、法律違反のリスクまで、その内容は多岐にわたります。
購入履歴からチェックする方法
自分が購入した商品が後から販売中止になっていないか、あるいは注文した商品が本当に届くのか不安に思った時は、Temuのアプリやウェブサイトから簡単に確認できます。

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操作はとてもシンプルです。
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Temuのアプリまたはウェブサイトを開き、自分のアカウントにログインします。
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画面下部(アプリの場合)や画面上部(ウェブサイトの場合)にある「お客様」や人型のアイコンをタップまたはクリックします。
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メニューの中から「ご注文」や「注文履歴」といった項目を選択します。
ここに、過去に注文したすべての商品のリストが表示されます。
注文が正常に受け付けられていれば、商品の画像や名前、注文状況(「処理中」「発送済み」など)が確認できるはずです。
もし、注文した商品が何らかの理由でキャンセルされたり、発送できなかったりした場合は、このページにその旨が表示されたり、返金処理の通知が届いたりします。
また、過去に購入した商品のページにアクセスしようとして「この商品はご利用いただけません」といった表示が出た場合は、その商品が販売中止になった可能性が高いと考えられます。
定期的に注文履歴を確認する習慣をつけておくと、万が一のトラブルにも気づきやすくなります。
Temuの日本での規制事情とは
現在、日本においてTemuの事業そのものを直接的に厳しく規制する法律はまだ整備されていません。
しかし、個別の法律によって、消費者が意図せずトラブルに巻き込まれる可能性があるため、注意が必要です。
日本特有の法的リスク:「技適マーク」と「PSEマーク」
前述の通り、最も代表的なのが「電波法」です。
Wi-FiやBluetoothといった無線通信機能を持つ電子機器は、本来、日本の技術基準に適合していることを証明する「技適マーク」が付いていなければ国内で使用できません。
Temuで販売されている多くの安価な電子機器には、この技適マークが付いていないものが大半です。
技適マークのない機器を使用すると、他の無線通信に障害を与える可能性があり、使用した人が電波法違反で罰せられる(1年以下の懲役または100万円以下の罰金)ことがあります。
同様に、コンセントに接続して使用する家電製品についても、本来は「PSEマーク」という安全基準を満たしている証明が必要ですが、Temu上の製品では適合しているか不明瞭なものが多く、安全性を確認するのは困難です。
世界的な規制強化の潮流
Temuの急成長とそれに伴う問題に対し、世界各国で規制を強化する動きが活発化しています。
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欧州連合(EU): Temuを「超巨大オンラインプラットフォーム(VLOP)」に指定し、違法・危険な製品の販売防止策の不備などを理由に、デジタルサービス法(DSA)違反の疑いで正式な調査を開始しています。
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米国: 800ドル未満の個人向け輸入品の関税を免除する「デミニミス・ルール」の適用を中国からの輸入品に対して終了し、Temuの低価格戦略に大きな影響を与えています。また、ネブラスカ州などが消費者保護を理由にTemuを提訴する動きもあります。
こうした国際的な潮流は、いずれ日本の法規制にも影響を与える可能性があり、今後の動向が注目されます。
Temuを日本で運営している会社について
Temuを運営しているのは、中国のPDDホールディングス(拼多多控股)という巨大IT企業です。
この会社は、もともと中国国内で「拼多多(Pinduoduo)」という非常に人気の高い共同購入ECアプリを運営しており、その成功を基盤に、グローバル市場向けサービスとしてTemuを立ち上げました。
日本国内においては、「WHALECO JAPAN株式会社」という法人がTemuの運営に関わっています。
しかし、この会社はあくまで日本でのマーケティングやサポート業務の一部を担っていると考えられ、プラットフォーム全体の運営や出品者の管理は、グローバルな体制で行われています。
つまり、何かトラブルがあった場合に、日本の法人を通じて問題を完全に解決するのは難しい可能性があります。
私たちは、国境を越えた巨大なプラットフォームを利用しているという意識を持つことが大切です。
価格の安さというメリットの裏側には、こうしたグローバル企業ならではの、責任の所在の複雑さや、各国の法規制とのギャップといった課題が存在することを理解しておく必要があります。

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総括:Temuの製造中止品と今後の賢い付き合い方

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この記事で解説してきたように、temuの製造中止問題は、単なる在庫切れではなく、そのビジネスモデルに根差した複雑な要因が絡み合っています。
最後に、私たちが賢く、そして安全にTemuを利用するためのポイントをまとめます。
この記事のポイント
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Temuの安さは中間業者を省き、中国の工場と直接つながることで実現している
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製造の責任は個々の出品者が負うため、品質に大きなばらつきがある
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販売中止の主な理由は安全性、知的財産権の侵害、出品者の撤退など多岐にわたる
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安さを追求するあまり、品質や安全性が犠牲になることがある
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「安かろう悪かろう」や「ゴミ」という評価は、一部の粗悪品や期待とのギャップから生まれる
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アクセサリーや子ども向け製品から、発がん性物質や有害物質が検出された事例がある
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火傷や火災リスクのある、安全基準違反の製品も過去に販売されていた
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具体的な販売中止品には、米国の子供用パジャマや韓国の子ども向け製品などがある
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購入履歴はアプリやサイトの「ご注文」からいつでも確認できる
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日本の「電波法」により、技適マークのない無線機器の使用は違法になる可能性がある
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PSEマークのない家電製品も、安全性に懸念がある
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Temuの運営元は中国の巨大IT企業PDDホールディングスである
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高リスクなカテゴリ(電子機器、子ども用品、化粧品など)の購入は慎重に判断する
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価格の安さの裏にあるリスクを常に意識する
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クレジットカード情報の直接入力は避け、決済代行サービスを利用するなど自衛策が必要
Temuは、その圧倒的な価格で私たちの消費生活に新たな選択肢をもたらしてくれました。
しかし、その裏側には本記事で解説したような様々な構造的課題とリスクが存在します。
これらの情報を理解し、賢い自衛策を講じることが、安全で後悔のない買い物体験につながります。
本記事が、あなたのTemuとのより良い付き合い方を見つけるための一助となれば幸いです。
参照:消費者庁「リコール情報サイト」 / 経済産業省「製品安全ガイド」