ファッションが流行る仕組み【なぜ？コレがトレンドに】を本気で検証＆解説！

「この服、最近よく見かけるな」

「なんで急にこの色が流行り出したんだろう？」

街を歩いていたり、SNSを見たりしていると、ふとそんな疑問を感じることはありませんか？

 

ファッションの流行りは誰が決めてるんだろう？ とか、トレンドは何が理由で決まるのか、不思議に思ったことがあるかもしれません。

流行が繰り返されるのはなぜ？ という疑問や、ブームのサイクルは何年周期で回っているのか、という点も気になりますよね。

この記事では、そうした「ファッションが流行る仕組み」について、論文に見るファッションが流行する仕組みなども交えながら、できるだけ分かりやすく解説していきます。

「モード」と「ファッション」と「流行」をこれほど分かりやすく言語化してる本は初めて。

「モード」と「流行」は真逆の関係 pic.twitter.com/sSWJh7mIS3

— ひょっとこボウイ (@Hyottoco_Bowie) November 4, 2024

 

流行自体が「おかしい！」と思う人の真理や、現代ファッションの流行の特徴についても触れていきます。

さらに、 2025～26年のファッショントレンド予測や、2026年に予想されるトレンドファッションについても、年代別の流行ファッションを振り返りつつ、 詳しく検証していきます。

この記事を読めば、 あなたが普段感じている「流行のナゾ」が、 きっと解けるはずです。

 

ファッションの流行の仕組みは誰がどう決める？

ここでは、ファッションのトレンドが「どのように」生まれ「誰によって」決められているのか、その基本的な仕組みを解説します。

 

ファッションの流行りは誰が決めてる？

「流行は誰かが意図的に作っている」 と考える人も多いかもしれません。

実は半分は正解で、半分は少し違います。

特定の「この人」が一人ですべてを決めているわけではなく、いくつかのグループや要素が複雑に絡み合って、トレンドは生まれています。

 

流行色を決める「国際会議」

驚くかもしれませんが、私たちが目にする流行色の多くは、実際にお店に並ぶ約2年も前に「インターカラー（国際流行色委員会）」という国際機関で決められています。

これは、世界各国の色彩に関する専門家が集まる会議です。

日本からもこれにJAFCA（一般社団法人 日本流行色協会）が参加しています。

 

彼らは、社会のムードや人々の心理状態を分析し「次の時代にはこんな色が求められるだろう」 という未来の方向性を予測して

大きな「トレンドカラー（流行色）」のパレットを決めているのです。

 

トレンドを分析する「専門家」

色が決められると、次に「WGSN」のような「トレンド予測会社」が登場します。

彼らは、AIや専門のアナリストを使って世界中のSNSの投稿、コレクション（新作発表会）、経済の動きといった膨大なデータを分析します。

そして、「次はこんな素材が来る」 「こんなデザインが流行りそうだ」 という、より具体的な予測情報をファッションブランドや企業に販売します。

 

流行を発信する「ブランドとデザイナー」

ファッションブランドやデザイナーは、これらの予測情報を参考にしながら、自分たちのブランドらしい新作（コレクション）をデザインします。

この段階で、デザイナーの個性や感性が加わり、トレンドはさらに具体的な「次の服の形」になっていきます。

 

流行を広める「メディアとインフルエンサー」

新作が発表されると、今度は雑誌やテレビなどのメディア、そしてインスタグラマーやティックトッカーといった

「インフルエンサー」が、それらの服を取り上げて話題にします。

特に現代ではSNSの影響力が非常に大きく、影響力のある人が身につけたアイテムが、一瞬で「欲しい！」という気持ちを広げ、大きな流行につながることが多くなっています。

 

このように「流行り」は一人の天才が決めるのではなく、国際会議、予測会社、デザイナー、

そして私たち消費者やインフルエンサーが、リレーのようにバトンをつなぎながら、時間をかけて作られていくものなのです。

 

トレンドは何が理由で決まるのか

では、そもそも「これが流行る」と判断される理由は、 どこにあるのでしょうか。

流行の背景には、その時代の「空気」や「人々の気持ち」が強く反映されています。

 

社会のムードや出来事

トレンドは、社会の環境や状況と深く結びついています。

例えば、リモートワークが普及した時期には、 家でも外でも着られる「リラックス感のある服」や「快適な素材」がトレンドになりました。

また、 経済が不安定で人々が不安を感じている時期には、

気分を明るくするような「鮮やかな色」や、 安心感を求める「ベーシックなデザイン」が好まれる傾向があります。

 

人々の心理や価値観

人々の「気分」も大きな理由です。

「サステナビリティ（持続可能性）」への関心が高まると、リサイクル素材を使った服や、長く大切に着られる「スローファッション」が注目されます。

また、窮屈なルールに縛られたくないという気持ちが強まると、性別に関係なく着られる「ジェンダーレス」なデザインが流行します。

 

過去へのノスタルジア

「あの時代は良かったな」という、過去を懐かしむ気持ち（ノスタルジア）も、トレンドの理由になります。

後で詳しく解説しますが「Y2K（2000年代）」ファッションのリバイバルは、

その時代を知らない若い世代にとっては新鮮に映り、当時を知る世代にとっては懐かしく感じられる、という二つの理由から大きなブームとなりました。

 

テクノロジーの進化

新しい技術もトレンドを生み出します。

AIがデザインを補助したり、SNSが新しい「美学（Aesthetic）」を瞬時に広めたりすることで、これまでにないスピードで新しい流行が生まれるようになりました。

つまり、トレンドとは単なる「誰かが決めただけの新しい形」ではなく、その時々の社会や人々の心を映し出す「鏡」のようなものだと言えます。

 

ブームのサイクルは何年周期？

すべての流行には、 生まれてから消えるまでの「一生」があり、これは「ファッション・ライフサイクル」と呼ばれています。

このサイクルを理解すると、 なぜブームが起き、 そしていつの間にか去っていくのかが分かります。

 

一般的に、このサイクルは5つの段階で構成されています。

表：ファッション・ライフサイクルの5段階

段階	名称	特徴	主な採用者
1	導入期	新しいスタイルが誕生したばかり。ごく一部の人しか知らない。	デザイナー、イノベーター（革新者）
2	上昇期	メディアやSNSで注目され始める。「トレンディ」と認識される。	アーリーアダプター、インフルエンサー
3	ピーク期	大衆的な人気を獲得し、需要が最大になる。多くの店が扱う。	マジョリティ（大衆）
4	衰退期	あちこちで見かけるようになり、「飽き」が生じ始める。値下げが始まる。	レイトマジョリティ（遅れた採用者）
5	陳腐化期	「時代遅れ」と見なされ、市場からほとんど姿を消す。	ラガード（採用遅滞者）

 

周期は何年？

かつて、 この導入期から陳腐化期までのサイクルは、比較的ゆっくりと進んでいました。

「流行は約20年周期で繰り返される」 という説を聞いたことがあるかもしれません。

 

これは、 あるトレンドが「陳腐化期」を迎えてから約20年経つと、その流行を知らない新しい世代が登場し、

彼らにとってそれが「新しいもの（導入期）」として再評価されるため、 という考え方に基づいています。

しかし、高度情報化社会の影響で現代ではこのサイクルは劇的に短くなっています。

 

SNSがサイクルを加速させる

最大の理由は、 TikTokやInstagramといったSNSの存在です。

昔は雑誌やテレビが中心だった情報も、今やリアルタイムで世界中に発信・拡散されます。

 

そのため「上昇期」から「ピーク期」までが一瞬で進み、その分「衰退期」が訪れるのも早くなっています。

数ヶ月前まで大流行していたアイテムがあっという間に「もう古い」と感じられてしまうのは、このサイクルの高速化が原因です。

 

流行が繰り返されるのはなぜ？

前述の通り、流行は約20年周期で繰り返される、という説があります。

最近の大きなトレンドである「Y2K（2000年代ファッション）」や、その前の「90年代ブーム」などは、まさにこの「リバイバル（復活）」現象です。

では、 なぜ一度「時代遅れ」になったものが、再び流行するのでしょうか。

 

理由1：知らない世代にとっては「新しい」

最も大きな理由は「世代の交代」です。

例えば、2000年代に流行したローライズデニムや厚底ブーツは、当時を知る30代以上の人にとっては「懐かしい」アイテムです。

しかし、2000年代に生まれた、あるいは幼かった現在の10代～20代前半（Z世代）にとっては、それらは「まったく知らない、新しいスタイル」として映ります。

彼らが新鮮なものとして取り入れることで、トレンドは「導入期」として再びスタートするのです。

 

理由2：過去への「ノスタルジア」

人間には、過去を美化し、懐かしむ「ノスタルジア」という心理があります。

社会が不安定だったり、未来に不安を感じたりすると、人々は「あの頃は良かった」と、過去の安定していた（ように見える）時代の文化やファッションに安心感を求めます。

Y2Kブームの背景には、当時のポップで楽観的なムードへの憧れもあると考えられます。

 

理由3：そのままではなく「再解釈」される

ただし、リバイバルは、 過去のスタイルがそのまま繰り返されるわけではありません。

必ず「現代的な再解釈」が加えられます。

 

例えば、Y2Kファッションも、当時のアイテムをそのまま着るのではなく

現代のシルエット（例えばオーバーサイズのトップス）と組み合わせたり、K-POPアイドルの衣装のように洗練された形で取り入れられたりしています。

この「アップデート」こそがリバイバル・トレンドが「ただの古着」ではなく「今の流行」として受け入れられるための重要なポイントです。

 

論文に見るファッションが流行する仕組み

ファッションの流行は、実は古くから心理学や社会学の研究対象となってきました。

十文字学園女子大学の論文（平成13年度）など、多くの研究で指摘されているのが、 流行を追う人間の「二つの矛盾した心理」です。

この相反する気持ちを同時に満たしてくれるのが「ファッション」というツールなのです。

「洋服は自由」これが「ファッション」の本来のあるべき姿なのかも知れません。
実は服を知っている人ほど「流行（トレンド）」を追わない傾向があります。コレホントです。… pic.twitter.com/PG9NL6ps61

— リサ| fashion creator (@birdgrassjp) June 19, 2024

 

心理1：「他人とは違う存在でいたい」（個性化の欲求）

私たちには「自分は特別でありたい」 「他人とは違うセンスを持っていると思われたい」 という、「個性化」や「差別化」の欲求があります。

誰も着ていないような最先端のスタイルを取り入れることは、 この「他人とは違う自分」をアピールする行動です。

 

心理2：「仲間外れになりたくない」（同調性の欲求）

一方で、 私たち人間は社会的な生き物であり「ある集団に所属していたい」 「仲間外れになるのは怖い」 という、「同調性」への強い欲求も持っています。

流行遅れの格好をして恥ずかしい思いをしたくない、という気持ちは、 まさにこの心理から来ています。

 

流行が「矛盾」を解決する

流行のスタイルを採用するという行動は、この二つの欲求を同時に満たします。

つまり、 「流行に敏感な集団」には「同調」することで安心感を得つつ、

同時に、 「流行遅れの人々」や「他の集団」とは「差別化」をすることができるのです。

 

流行とは「安心」と「優越感」を同時に手に入れるための、非常に高度な社会的なゲームであるとも言えます。

また、 論文では、 流行を取り入れる動機として「新しいものを求める好奇心」や、「『こう見られたい自分』を作り上げる自己実現の欲求」なども挙げられています。

 

現代と未来のファッション流行の仕組み

基本的な仕組みがわかったところで、次は「今、どうなっているのか」

そして「これから、どうなるのか」 という、 現代と未来の流行の仕組みについて解説します。

 

年代別の流行ファッションを振り返る

流行の仕組みが時代と共にどう変わってきたのかを、過去のトレンドを振り返りながら見てみましょう。

各年代で、 社会のムードや情報源（メディア）が、流行にどう影響してきたかが分かります。

昭和47年「講談社」発行「若い女性」より「流行のブラウスのカラー」。
カラーの仕組みがよく分かる図解なんですが、
更に佐藤昌彦氏の溢れ出る色気を感じる女性のカットにうっとり❤️#昭和レトロ #ファッション #佐藤昌彦 #ブラウス pic.twitter.com/0NZk1N4FCH

— 雑貨奥様 (@zakkaokusama) August 4, 2018

 

表：年代別に見る日本の流行ファッション

年代	主な流行ファッション	社会的背景・情報源
1950年代	ロカビリー、サブリナパンツ	戦後の復興、アメリカ文化への憧れ、映画（オードリー・ヘップバーン）
1960年代	ヒッピー、モッズ、ミニスカート	高度経済成長、東京オリンピック、カウンターカルチャー、ビートルズ
1970年代	ベルボトム（パンタロン）、ジーンズ	オイルショック、雑誌『an・an』『non-no』（アンノン族）創刊、日本人デザイナーの活躍
1980年代	DCブランド、ボディコン、渋カジ	バブル経済、デザイナーズブランドブーム、ディスコ文化
1990年代	ヤマンバギャル、裏原系、アムラー	バブル崩壊、ストリートファッション、安室奈美恵、雑誌『egg』
2000年代	ニーハイブーツ、スキニーデニム、Y2K	ITバブル、ファストファッションの台頭、読者モデルの影響力
2010年代	ガウチョパンツ、ビッグシルエット	SNS（Instagram）の普及、ノームコア（究極の普通）、K-POP

こうして見ると、昔は映画スターやデザイナーといった「上（トップダウン）」からの流行が中心でしたが、

90年代頃からストリートや特定のコミュニティ（ギャルなど）からの「下（ボトムアップ）」の流行が強くなってきたことがわかります。

そして現代は、 その流れがさらに加速しています。

 

現代ファッションの流行の特徴

現代、特に2020年代以降のファッションの流行は、 それ以前とは比べ物にならないほど「速く」「複雑」になっています。

その最大の特徴は「アルゴリズム」と「美学（Aesthetic）」です。

 

特徴1：SNSによるサイクルの超・短縮化

前述の通り、 現代の流行のライフサイクルは非常に短いです。

特にTikTokは、その強力な「おすすめ」アルゴリズムによって、

昨日まで誰も知らなかったスタイルをたった数日で世界的なブームに押し上げることがあります。

 

しかし、 その分「飽きられる」スピードも速く、あるトレンドの寿命は、 かつての数年から「数週間」単位になることも珍しくありません。

 

特徴2：アイテムより「美学（Aesthetic）」が流行る

かつての流行は「スキニージーンズ」や「特定のブランドのバッグ」といった具体的な「アイテム」が中心でした。

しかし、 現代のTikTok発のトレンドは、特定のアイテムではなく「ムード」や「世界観」そのものが流行します。

これを「Aesthetic（エスセティック＝美学）」と呼びます。

 

例えば「#coquette（コケット＝色っぽい、カワイイ）」 「フェアリーグランジ（妖精のようなダークさ）」 といったトレンドは、特定の服を指すのではなく、レースやリボン、特定の色使い、メイク、小物の組み合わせなどで、 その「世界観」を表現します。

この変化が、 流行の参加ハードルを下げました。

 

高い新作アイテムを買わなくても、手持ちの服や古着を組み合わせることで、誰でもその「美学」コミュニティに参加できるようになったのです。

これが、 現代のトレンドが（経済状況に関わらず）爆発的に広がる理由です。

 

特徴3：AIによるトレンドの「検知」

企業側も、この高速なトレンドに対応するためにAIを活用しています。

AIがSNSやECサイトのデータをリアルタイムで分析し「今、何が売れ始めているか」 「次に何が来そうか」 を瞬時に検知します。

 

そして、 そのデータ（市場シグナル）に基づき、 企業は驚異的なスピード（Speed to Market）で商品を生産・投入します。

現代の流行は、「TikTokで自然発生」→「AIが検知」→「企業が生産・増幅」 という、 高速なフィードバックループによって作られているのです。

 

流行自体が「おかしい！」と思う人の真理

これだけ流行のサイクルが速くなると、当然ながら「疲れてしまう」「おかしい」と思う人々も出てきます。

 

「みんな同じような格好をしている」

「次から次へと新しいものを追うのはおかしい」

と感じる心理は、人としても非常に自然な反応です。

この「トレンド疲れ」は、 いくつかの「アンチ・トレンド（反流行）」の動きを生み出しています。

日本の技術は「宝」です。ひと昔前の「服」には「令和」の時代には敵わない技術がある。
服を作っている人が言うのも何ですが

“ 服の質はどんどん落ちています “

今＝「ファストファッション」＝　“ ファスト（速い）”→… pic.twitter.com/Pi6Sz5m3Oy

— リサ| fashion creator (@birdgrassjp) June 23, 2024

 

心理1：トレンド疲れと「同じであること」への安心感

あまりにも流行の移り変わりが激しいため「もう流行を追うのはやめよう」 と考える人が増えています。

また、 SNS時代は、 目立つ格好をしていると不特定多数の人から批判されたり、 望まない注目を集めたりするリスクもあります。

 

その結果、 あえて流行から距離を置き「アンチトレンド」として、

周りに溶け込むような、さほど目立たないベーシックな服装（ノームコアなど）を選ぶことで、 逆に「安心感」を得ようとする心理が働いています。

 

心理2：サステナビリティへの意識

トレンドサイクルが速くなるということは、それだけ多くの服が短期間で生産され、そして「廃棄」されることを意味します。

この「大量生産・大量廃棄」というシステムが深刻な環境問題を引き起こしていることへの意識（サステナビリティ）が、 特に若い世代の間で高まっています。

流行の服を次々と買うことに「罪悪感」を感じ、

あえて流行に左右されない、 高品質な服を長く着ようとする「スローファッション」という考え方が注目されています。

 

心理3：価値観と行動のギャップ（Say-Do Gap）

しかし、ここには大きな「矛盾」も存在します。

アンケート調査などでは、 多くの人が「サステナビリティは重要だ（Say）」と答えます。

しかし、 実際の購入場面（Do）では、 環境への配慮よりも「価格の安さ」を優先してしまう、という「価値観と行動のギャップ（Say-Do Gap）」が起きています。

 

また、 どのブランドが本当に環境に優しいのか分かりにくい「透明性の欠如」も問題です。

結果として、多くの消費者が（不本意ながらも） 環境負荷の高い「高速トレンド」のシステムを利用し続けてしまうというジレンマに陥っています。

 

2025～26年のファッショントレンド予測

こうした現代の複雑な背景を踏まえ、 2025年から2026年にかけてのトレンドは、 どのような方向に向かうのでしょうか。

いくつかの大きな流れが予測されています。

 

予測1：ネオクラシック（新しい定番）

「トレンド疲れ」への反動から、 テーラードジャケットやトレンチコート、 プリーツスカートといった

「伝統的・古典的（クラシック）」なアイテムが再評価されています。

 

ただし、昔のままではなく、シルエットが現代風にアップデートされていたり、快適な素材が使われていたりする「ネオ（新しい）クラシック」が主流になると見られています。

タイムレス（時代を超越する）な魅力と、 現代の快適性を両立させたスタイルです。

 

予測2：サステナビリティとスローファッション

環境問題への意識は今後さらに高まり 「サステナブルであること」は、もはやトレンドではなく「当たり前の基準」になっていくと考えられます。

リサイクル素材やオーガニック素材の使用はもちろん、古着をリメイクする「アップサイクル」や、

長く愛用できる高品質な商品を提案する「スローファッション」の考え方が、 さらに浸透していくでしょう。

 

予測3：ジェンダーレスファッションの広がり

多様性を重視する社会の流れを受け「メンズ」「レディース」という性別の境界線は、ますます曖昧になっていきます。

性別を問わずに楽しめるシンプルなシルエットや、 ベーシックなカラーのアイテムが、 引き続き人気を集めると予測されます。

 

2026年に予想されるトレンドファッション

2026年、さらにその先に向けて予想される最も大きな「仕組みの変化」は 「バーチャルファッション」と「メタバース」の台頭です。

これは、 ファッション業界が直面している 「高速トレンド vs サステナビリティ」 という最大の矛盾を解決する可能性を秘めています。

 

物理的なモノからの解放

私たちが流行を追う理由は「個性化（他人と違いたい）」と「同調（仲間でいたい）」 という心理的な欲求を満たすためでした。

この欲求は、必ずしも「物理的なモノ（服）」を必要としません。

 

ZEPETOやαUのような「メタバース（仮想空間）」では、ユーザーはアバター（自分の分身）を通じ、

物理的な生産や廃棄物を一切出すことなく、 無限の「個性化（着せ替え）」と「同調（コミュニティ参加）」を体験できます。

これにより、消費者は「トレンドに参加したい」という欲求を、 環境負荷ゼロで満たすことができるようになります。

 

企業側のメリット：AIによる正確な需要予測

企業側にも大きなメリットがあります。

まず、 メタバース上で新作デザインを「テスト販売」します。

そこで、 どのデザインがどれだけ試着され、 購入されたかという「正確な需要データ」をAIで分析します。

 

そして、そのデータに基づき、物理的な世界では「本当に売れるものだけを、売れる量だけ」生産します。

これにより、過剰生産（売れ残り）を劇的に減らし

「サステナビリティ（環境配慮）」と「ビジネス（利益）」を、 両立させることが可能になると期待されています。

 

2026年に向けての流行とは、物理的な服だけでなく、アバターが着る「デジタルの服」のことも、当たり前に指すようになっていくかもしれません。

 

総括：ファッションの流行の仕組みとは

ここまで、ファッションの流行が生まれる背景、つまり誰がどうやって決めているのか、そして現代のSNSやAIがどう関わっているのかを詳しく見てきました。

流行の仕組みは、社会のムードや技術の進歩と共に、常に変化し続けていることがわかります。

流行の仕組みを知ると次に何が来るのか予測してみたり、あえて流行に乗らないという選択を自信を持ってできたりと、ファッションとの付き合い方が変わってくるかもしれません。

この記事が、あなたが自分らしくファッションを楽しむための、何かのヒントになれば嬉しいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

参照：経済産業省「繊維産業の現状と政策について」

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